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逓増定期保険

法人保険コンサルティングの専門家、株式会社●●●が、法人保険として利用される頻度の高い「逓増定期保険」について徹底解説します。

 


逓増定期保険とは?

定期保険の意味

終身保険のように「死ぬまで」保険期間が続くのではなく、保険期間を10年、20年といった一定の期間(定期)に限定している生命保険です。

逓増(ていぞう)とは?

少しずつ増えていくことを逓増(ていぞう)と言います。

何が逓増するの?

保険金(被保険者の死亡時に受け取るお金)が保険期間中、増加していきます。

逓増定期保険とは?

定期の生命保険ですので、保険期間が一定期間に決められています。死亡時に支払われる保険金は、保険期間が経過するにつれて次第に増えて(逓増して)いきます。

掛け捨てのため、被保険者(保険をかえられた対象人物)が保険期間中に死亡せずに満期を迎えた場合には、満期保険金はありません

一方で、途中で解約した場合には解約返戻金が支払われ、返戻率のピーク時を選んで解約すれば、支払った保険料のほぼ全額が保険会社から返金されます。

逓増定期保険の機能別の利用法

逓増定期保険は生命保険ですので、その本来の機能(死亡時保障)に着目した利用方法がまずあります。しかし返戻率のピーク時を選べばほぼ全額が返金されることに着目すると、「生命保険」以上の活躍をしてくれます。

Ⅰ 生命保険としての本来の機能(保険金)に着目した逓増定期保険の利用法

  経営者が死亡した場合に、保険金が受け取れる

Ⅱ 解約した場合の「解約返戻金」に着目した逓増定期保険の利用法

Ⅱ-1 保険料を簿外資産としてプールしていざという時に取り崩す

Ⅱ-2 解約しなくても、解約返戻金を担保に契約者貸付を受けられる

Ⅱ-3 支払保険料の半額を損金算入して法人税対策(課税の先送り)

逓増定期保険には「節税効果」があるの?

お客さまから時折、逓増定期保険を検討しているが、逓増定期保険には「節税効果」があるとする情報と、逓増定期保険は法人税の課税の先送り(課税の繰り延べ)するに過ぎないとの情報が混在していてよく分からない、とのご質問をお受けします。

 

確かにインターネット上にも、「節税効果」のみしか謳っていなかったり、「課税の繰り延べ」効果しかないことを強調していたりと分かりづらい側面があるようです。

 

結論から申し上げますと、逓増定期保険はその利用方法によって、「課税の繰り延べ」効果のみがあり「節税効果」がない場合と、「節税効果」を享受できる場合と両方あります。

以下、順にご説明しましょう。

ステップ1:逓増定期保険の保険料支払い時の会計処理を理解する

逓増定期保険は、支払保険料の全額を損金算入できるもの(資産計上額ゼロ)、2分の1を損金算入できるもの(資産計上額2分の1)、3分の1を損金算入できるもの(資産計上額3分の2)、4分の1を損金算入できるもの(資産計上額4分の3)に分かれます。

このうちどれに該当するかは、平成20年2月28日付の国税庁の通達によって定められています。

 

逓増定期保険の区分①:2分の1を損金算入できるもの(資産計上額2分の1)

保険期間満了時の被保険者の年齢が45歳を超えるもの(区分②③を除く)

逓増定期保険の区分②:3分の1を損金算入できるもの(資産計上額3分の2)

保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険加入時の被保険者の年齢+保険期間×2が95を超えるもの(区分③を除く)

逓増定期保険の区分③:4分の1を損金算入できるもの(資産計上額4分の3)

保険期間満了時の被保険者の年齢が80歳を超え、かつ、当該保険加入時の被保険者の年齢+保険期間×2が120を超えるもの

逓増定期保険の区分④:支払保険料の全額を損金算入できるもの(資産計上額ゼロ)

①②③に該当しないもの

これら国税庁通達の区分に照らし被保険者の年齢に着目すると、全額損金に算入できるケース(保険期間満了時の被保険者の年齢が45歳以下のもの)はほとんどなく、多くの場合、2分の1を損金算入できることになります。

 

支払保険料の2分の1を損金算入、支払保険料の2分の1を資産計上した場合、損金算入の金額分だけ法人税の課税対象から外れることとなります。つまり一時的な課税の先送りです。

ステップ2:逓増定期保険の解約返戻金を受け取った場合の会計処理

国税庁通達区分①に該当し、保険料支払い時に支払保険料の半額を損金算入し、後に逓増定期保険を解約して解約返戻金を2億円受け取った場合、「雑収入」として1億円を計上します。

 

つまり保険料支払い時に損金算入して課税を免れた分がここで益金に計上され、法人税の課税対象となります。先送りされていた法人税の課税対象となりました。

ステップ3:役員退職金の損金算入

ある年に代表取締役社長が退任して、会社が役員退職金を1億円支払う場合、この役員退職金は「不相当に高額」でない部分は損金に算入することができます。「不相当に高額でない」役員退職金の額とは、一般的には次の式で計算されます。

 

役員退職金=最終月額報酬×勤続年数×功績倍率

 

例えば、最終月額報酬が110万円(年報酬1320万円)で勤続年数30年(40歳で会社設立し70歳で退任)、役職が代表取締役社長である場合、

 

110×30×3=9900万円損金算入できる役員退職金の額となります。

法人税法34条2項

内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)

の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度

の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

法人税施行令70条

第七十条 法第三十四条第二項 (役員給与の損金不算入)に規定する政令で定める金額は、

次に掲げる金額の合計額とする。 

二  内国法人が各事業年度においてその退職した役員に対して支給した退職給与の額が、

当該役員のその内国法人の業務に従事した期間、その退職の事情、その内国法人と同種の

事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況等に

照らし、その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額を超える

場合におけるその超える部分の金額

会社法361条1項(取締役の報酬等)

取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益についての

次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。

一  報酬等のうち額が確定しているものについては、その額

二  報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法

三  報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容

ステップ4: 解約返戻金の益金計上と役員退職金の損金計上が同一事業年度である場合

法人税の課税対象である所得は、益金-損金 ですので、解約返戻金を雑収入(益金)として計上し、

役員退職金を損金に計上すれば、相殺した差額のみに課税されます。

大きな支出(役員退職金)が予想され「所得(益金-所得)」がマイナスとなることが予想される事業年度において解約返戻金を受け取れば、法人税の課税対象から外れることとなり「節税」を達成することができます。出口戦略として用意した役員退職金の支払いは、逓増定期保険とは直接の関係がありません。従って、逓増定期保険の「直接の」効果として「節税」を言うことはできません。出口戦略が重要なのです。